長崎県貿易協会上海代表処
常駐でない総経理について

【Q】:これまで、中国の総経理は中国現地法人に出向させていた者が担当していましたが、社内都合により、今後は、日本で勤務する者が総経理になり、時々出張で業務を行うことになります。
 このように、常駐でない総経理として業務を行うことに何か問題があれば教えてください。


【A】:董事長、董事、執行董事、監事、及び総経理これらの役職の者につき、常勤としなければならないと定めた法令や、中国での年間最少滞在日数を定めた法令はありません。
 ただし法律上、総経理は会社の日常の管理業務につき責任を負うとされており、基本的には常勤であることが前提とされています。(仮に非常勤とした場合、会社にいない間に生じた出来事についても責任を負うことになります。)

 『会社法(公司法)』第50条には以下の通り、総経理の権限を定めています。
第50条
 有限責任公司には、総経理を置くことができ、董事会が任命、又は解任を決定する。総経理は、董事会に対して責任を負い、次に掲げる権限を行使する。
(1)  会社の生産経営管理を主管し、董事会決議を実施する。
(2)  会社の年度経営計画と投資案を実施する。
(3)  会社の内部管理機構の設置案を立案する。
(4)  会社の基本的管理制度を立案する。
(5)  会社の具体的規則を定める。
(6)  会社の副総経理、財務責任者の任命又は解任を提案する。
(7)  董事会が任命または解任を決定すべき者以外の管理責任者の任命又は解任を決定する。
(8)  董事会より与えられたその他の権限
 会社定款に総経理の権限について別途規定がある場合はその規定に従う。総経理は、董事会会議に列席する。

 また、総経理の職責としては以下のものが挙げられます。
(1)  会社董事会に責任を負い、董事会の決定事項、規定を実施し、董事会の決定した各指標を達成し、実施情況を董事会に報告する。
(2)  国家及び業界の法律、法規、方針、政策を執行する。
(3)  董事会の要求に基づき、会社の経営管理方針を決定し、会社の経営管理システムを作り、それを実施、改善し、経営管理システムの実施のために必要な資源を提供する。
(4)  会社の日常的な経営管理業務を主管し、会社の年度経営計画と投資案を実施する。
(5)  会社の総経理会議を開催し、各部の協調、検査、監督業務を実施する。
(6)  市場の変化に基づき、会社の経営方向を絶えず調整し、会社の健全な発展を維持する。
(7)  会社を代表して対外業務を処理し、渉外?広報活動を行う。
(8)  会社情報管理システムを作り、情報資源を配置する。
(9)  日常の行政、業務文書に署名し、会社の運営の合法性を保証する。
(10) 会社の人的資源の開発、管理、向上に責任を負う。
(11) 会社の安全業務に責任を負う。
(12) 会社の年度財務予算、決算案、利益配分、損失補填案の確定に責任を負う。
(13) 会社の組織機構の調整。
(14) その他の董事会の臨時的、段階的業務と任務を達成する。

 上記の権限、職責が全うできるのであれば総経理は非常駐でも問題ないと言えますが、実質的に日常の業務において、総経理が常駐することで社内、取引先などの信頼を得ることができ、商談の際に総経理が在席できるかどうかで契約を有利に進めることができ、契約書に随時サインできるかどうかは商談のスピード性にも関わるでしょう。また会社内での書類の決裁や財務的な管理についても、総経理が常駐していないと不便な場合があるでしょう。
 反対に総経理が常駐しないことにより、現地職員の責任感が増し、現地化への一歩にもなることも考えられます。

以 上

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