長崎県貿易協会上海代表処
中国を好きになることじゃないでしょうか

《長崎県上海事務所にて》 《長崎県上海事務所にて》

1957年 10月 長崎市出身 45歳
1980年 熊本商科大学卒業
1980年 三立梱包運輸株式会社入社
1981年 服部産業株式会社入社
1997年 服部産業株式会社、服部電子株式会社、株式会社ハットリキャステック3社の代表取締役社長に就任。
趣味:ゴルフ、家族と共にいること
家族:妻、2男1女は長崎で生活。本人は中国で3分の1を生活。

??????以前から中国で事業をやりたいと思っていました。このところの中国の経済成長を見るにつけ、そして昨年の中国がWTOに加盟したことでのビジネスチャンスを探っていたんですが、調べてみると当社(服部産業株式会社)がメインとしている梱包業が中国ではあまり発達していないことが分かりました。中国の梱包というのは、運輸業者が輸送を依頼された商品を、委託梱包するシステムがとられています。ただ、本職ではないので技術にバラツキがあり満足していない業者も結構多いんです。日系企業などは梱包にも気を使います。このことを知って「これはいける!」と思いました。梱包技術はよそには負けないという自信がありましたし、JIS規格でのサービスで日系企業に安心感を提供することで、きっとニーズもあるだろうと確信しました。
??????日本国内の梱包ビジネスの量的減少により、現状拡大はむずかしいというのも理由のひとつです。中国産品の輸出競争に伴う物流量の伸びが期待でき、それに伴う輸出梱包品質の要求が必須となりうることに期待を持ったんです。

??????進出は決定したけれど、何をしていいか分からない。ですから足で情報をかき集めましたね。長崎では、県庁や銀行。中国では会計事務所や三菱の関連会社などに足を運びました。幸い当社には三菱電機OBで上海の宝菱電気でも勤務経験のある鶴橋常務がおりましたので、特に上海での情報収集やF/Sの作成などではかなりアドバンテージがあったと思います。
??????進出形態は?工場をどこにするか?従業員の確保は?など様々な問題にぶちあたりました。ひとつひとつ徹底的に調査しました。私自身も何度も何度も上海に足を運んで、進出における問題点などを探っていきました。進出形態については、当初合弁を考えたんですが、自己責任で思い切りやれるということ、会計事務所などの薦めなどもあり独資に決定しました。様々な方のアドバイスを受けて計画を進めた結果、紆余曲折ありましたが、宝菱電気の工場内の一部を借りて操業することが決定し、また従業員の問題も解決しました。いいパートナーに巡り会えたことは大きかったですね。
??????やはり何度も中国を訪れ、誠意を持って中国人関係者とつきあい、仲良くなったことが一番大きかったと思います。中国は人脈が命と言われますが今回の進出に際しては本当にそれを実感しました。

??????梱包ビジネスとは、顧客の製品を、最終顧客に届けるときや保管の時に、製品保護のために周囲、内部を木材や鋼材、紙材などで保護、梱包して壊れたり、傷ついたりしないように本来の姿で届けるための製函作業をいいます。我々の調査では、同業他社が中国には非常に少ないのが分かりました。大量生産する企業では独自の梱包システムを設けているところはあるんですが、専門業者は非常に少ないんです。 ??????中国進出のメリットは、まずやはり、生産コストが低いということですね。人件費や材料費が圧倒的に安い。そして、世界の工場と言われているくらいですから、圧倒的な物流量が発生しているという点。世界の製造会社の中国展開が加速している現状、ビジネスチャンスが多分にある。これは我々梱包業以外にも言えることは周知の事実です。こと梱包業に関して言えば、木材から紙材梱包への変化に対応できる技術を中国が持っていること。紙材メーカー自体も中国に進出してきているので、それと同時に業務推進による営業活動の展開が容易になる、今後の可能性を広げやすい環境が整っているという点があげられます。

??????やはり足繁く中国に通うことが必要だと思います。自分の目で確かめることが肝要です。そして人脈を築く。なにより中国を好きになることじゃないでしょうか。沢山の中国の仲間を作りました。彼らに本気で中国に進出したいんだ、ということを伝えることが肝心ではないでしょうか。言葉だけではダメなんです。
??????また、専門の機関をうまく利用することが必要だと思います。具体的な現地法人設立には複雑な作業や知識が要求されます。それを自分たちで行うには相当の労力が必要になります。費用はかかりますが、必要経費と割り切り、餅は餅屋にまかせる発想が必要です。何か尋ねることがある場合、割り切って、ズバリ核心部分が聞けると言う利点もありますし。
??????また、撤退ラインを決めておくことも重要です。中国への進出企業の中には撤退する企業も多い。その現実も認識しておく必要があります。加工レートや材料費が高くなってしまい、損益上、操業上で継続が困難になる場合もある。中国の政治的、経済的、自然的の大きな変動も考えられる。その企業に応じた数字を決定しておくことが必要です。

??????今回の進出は、先代(私の父)が亡くなって今年の4月が1周忌でしたので、記念事業にしたいという思いもありました。先代の時代にも中国から材料を仕入れたりと、何かと中国とのつながりがあったものですから。4月21日が1周忌でしたので、思えばリミットを設けたことで、進出へのスピードがかなり速まったんじゃないかと思います。
??????「上海宝京包装制品有限公司」の「京」の字は父の名前の「京三」からとったものです。また、「宝」という字は、今回かなり宝山区や宝菱電気の皆様にお世話になったので、お礼の意味を込めて。なぜ梱包なのに「制品」かと言えば、梱包業としての創業は中国では認められていないため、製造業としての登記が必要だったためです。

上海宝京包装制品有限公司事務所内にて 上海宝京包装制品有限公司事務所内にて

??????日系を始めとする外資系企業をターゲットとして足固めをしていきます。その後、中国系企業へのアプローチを考えていますが、まずは今ある受注を確実にこなしていくことが当面の目標です。現実、ある程度の引き合いが来ていますので、滑り出しは順調だと思います。また、梱包に必要なパレット(底架)など比較的量産可能な商品である、加工品の輸出販売を視野に入れています。将来的には服部産業の関連会社である、服部電子株式会社の主力の配電盤の生産も考えています。
??????まずは、今の事務所、工場での事業を軌道に乗せることが重要です。幸い当社の梱包作業というのは、大きな工場を必要しないいわゆる「出張梱包」がメインです。こういったフットワークの軽さという利点をを生かして今後の地固めをしていきたいと思っています。そして投資額範囲内で出来ることをやっていくということも重要です。最初からうまくいくとは考えていません。じっくりとやっていきたいと考えています。
??????私と副総経理の鶴橋常務、技術部長の石崎の3人で三位一体で頑張っていきます。もちろん中国人スタッフの章工場長の存在も欠かせません。全員一丸となって頑張っていきます。

??????日本の製造業者の中には「中国は『製造業の敵』である」という考えを持った人がまだ沢山います。我々の周りにも、未だになぜ「敵」である中国へ出ていくのか?と言われる人がいます。これは良くない考えです。今後は中国とコラボレーションしていくという発想が必要だと思います。
??????進出についてなにをしたらいいか分からないという方がいらっしゃれば、我々で良ければいくらでもご協力します。ノウハウなど提供は惜しみません。結果、長崎県のためになるんですから。
??????実際、当社が進出したことで長崎県企業の中でも動きが出てきています。今までは“つて”がなく「行きたいんだけど行けない」という方々が多かったようですが、「服部が行ったんなら、うちも行ってみようか」という方が増えてきているようです。一緒に長崎県の経済浮揚のために頑張ってくれる人が増えてきたことはとても心強いですね!

上海宝京包装制品有限公司事務所前にて。左から鶴橋副総経理、服部総経理、章工場長、石崎部長 上海宝京包装制品有限公司事務所前にて。左から鶴橋副総経理、服部総経理、章工場長、石崎部長

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