長崎県貿易協会上海代表処
日中経済貿易センター上海事務所主催「遼寧省視察会」に参加

遼寧(営口)沿海産業基地の計画模型 遼寧(営口)沿海産業基地の計画模型

管理委員会での意見交換会 管理委員会での意見交換会

大連保税区全景 大連保税区全景

11月28日(水)~30日(金)、日中経済貿易センター上海事務所主催の遼寧省視察会に弊所はじめ在上海の日本地方自治体、銀行、企業担当者が参加した。
日中経済貿易センターは日本と中国の経済交流の促進を目的に設立された大阪市の本部を置く経済民間団体で、日中国交正常化以前の1954年に設立。会員企業の日中間ビジネスのサポートを主な業務としている。また、同センターは長崎県企業の対中投資に対するサポート、コンサルティングの枠組みである「長崎県中国ビジネスサポートデスク」のカウンターパートでもある。
今回の視察では下記の3か所を訪問。今後の県内企業の進出可能性などについて探ったが、3か所とも非常に特徴がある開発区であり、特に長興島臨界工業区については、長崎県の機関産業でもある造船業の積極誘致を行っていることから、県内企業の進出先の一つとしては非常に有効だと感じた。また同開発区は香港のような自由貿易区の申請を行っているとのことで、今後の成長可能性も大きい。
同開発区や今回視察したその他開発区以外にも弊所では様々な地域の開発区と関係がある。開発区の進出等に興味がある企業におかれては、お気軽に弊所にお問い合わせいただきたい。
遼寧省営口市(11月28日~29日)
「遼寧(営口)沿海産業基地」と「五鉱(営口)産業園視察」を視察。同基地は遼寧沿海経済ベルト発展計画(旧五点一線計画)の一点で、国家級開発区である。瀋陽、大連の中間点に位置し、それぞれへは約170㎞である。11月29日午前中は、同市に立地する営口雅麗絲服装有限公司と遼寧大族冠華印刷科技股份有限公司を視察。営口雅麗絲公司は富山県の北陸エステアール協同組合の投資により設立された婦人用下着メーカーで、製品の大部分は日本向けOEM。営口市の魅力として、安い賃金と従業員確保の容易さ、定着率の高さがあるとのこと。大族冠華公司は営口地場の印刷機メーカーで、静岡県企業を買収し技術を吸収、ブランドも引き継いだ。ラインには日本人技術者の姿も見られた。目下、部品調達の多様化に取り組んでいるとのことであった。
続いて営口市南部に立地する営口港鲅魚圏港区を視察した。同港は東北第二の港で、2011年の貨物取扱量は約640万TEUで大連港に継ぐ規模。瀋陽など東北3省の内陸都市により近く、陸上輸送コストで優位に立つ。営口市には本年12月1日にハルピン~大連間高速鉄道が開通し、2013年末~2014年初頭頃には営口空港の開港も予定されている。これにより陸海空を合わせた交通網が完成。
大連長興島臨港工業区(11月29日~30日)
大連長興島臨港工業区も遼寧(営口)沿海産業基地と同様、遼寧沿海経済ベルト発展計画の重要拠点で、国家級開発区である。大連市の北約80キロの位置に立地し、5つの島から構成され、それぞれ遼東半島と橋で結ばれる。2005年に管理委員会が設置されて以来、同工業区はわずか6年で人口が4万人から14万人に増加した。韓国STX造船が進出した結果、韓国企業の進出が多く、同工業区には現在約2000人の韓国人が駐在している。日系は現在4社が進出しており、この他日立製作所が海水淡水化プロジェクトを進めている。遼寧省政府は現在、中央政府に対し長興島を自由貿易区とすることを申請中で、許可が降りれば香港のような特別な地域になるとのことで、今後の動向が注目される地域である。
30日午前中には日系2社を訪問した。大連長興島太陽日酸気体有限公司は日本酸素と太陽酸素の合併により成立した工業ガスメーカーで、長興島には2007年に進出、酸素、窒素、アルゴンを生産している。東北は重工業が発達しているため酸素の需要が多く、クリーンルームなどに使う窒素需要が強い上海エリアとは市場が異なっている。販売状況は良いが差別化が難しい製品のため、価格競争が激しいとのことである。長興島の長所として、政府のケアの厚さ、電力事情の良さ、地域住民の多くが漁業従業者であるため土地への執着が少なく、土地収用がスムーズであったことなどについて紹介があった。大連新緑再生資源加工有限公司は伊藤忠商事、鈴木商会などの出資により設立された鉄、非鉄金属などのリサイクル工場で、本年10月に稼働を開始したばかり。環境配慮型工場として、モデル工場にも指定されている。原料は鉄については大連市、営口市、丹東市などから、非鉄金属、ミックスメタルについては日本から輸入している。目下廃家電リサイクル事業の認可待ちであるが、申請企業が多く政府での調整に時間がかかっているとのことであった。レクチャー後、一行は工場を見学した。
大連保税区(11月30日)
大連保税区では一行はまず大連港大窯湾港区の概要のレクチャーを受け大連港集団のビルの屋上から全景を見学した後、自動車専用埠頭を見学した。見学時には自動車専用船が埠頭に接岸し、様々なメーカーの車が多数留置されていた。続いて見学した東風日産の工場用地は自動車専用埠頭に隣接しており、すでに基礎工事が始まっていた。但し生産車種や規模はまだ決定しておらず、詳細については不明。奇瑞の自動車工場も自動車埠頭に見学しており、広大な敷地を持つ。溶接工程のみ見学できたが、まだ本格生産には入っていないとのことで、仕掛品の車体が見られたがラインはほとんど停止していた。溶接機は日本メーカーのものが設置されていた。
見学終了後、大連保税区外資招商局の邵副局長らと懇談。大連保税区は1992年の設立当初は1.92?であったが、数度の変遷を経て現在の規模は251.3?に及び、中国で一番大きい保税区となっている。但しこれには保税の取り扱いのない一般地域も含まれており、名称に合わない部分も出てきている。これまで誘致した外資企業は809社でうち日系は372社に及ぶ。これらの日系企業のおよそ7割が2004年までに大連保税区に進出した。東風日産については6月に起工し、12月18日にはサプライヤー大会が開催されるとのことである。同保税区は今後自動車物流、国際エネルギー及び中核機能を発展の重点に置き、可能な限りの優遇政策と行政サービスの向上、人脈の重視で投資誘致を図っていきたいとのことであった。

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